●ハールーン=アッラシード
AD763
763〜809 アッバース朝第5代カリフ(在位786〜809)。第3代カリフ,マフディーの第二子,母は奴隷出身のハイズラーンで,異母兄の第4代カリフ,ハーディー(在位785〜786)が毒殺された後をうけて即位した。内政面では,最初の17年間イラン系のバルマク(Barmak)家一門,とくにヤフヤ=ブンハーリド(738〜805)とその二子を重用して内政を整え,対外的にはビザンツ帝国侵攻を策し,797年と806年には親征して朝貢を条件に講和し,また遠くカール大帝との盟約の所伝もある。やがて相次ぐ国内の反乱の鎮圧に苦慮したあげく,バルマク家の権勢が強大化したので803年これを断絶させて親政に乗り出し,アッバース朝極盛期を現出させ,宮廷に多くの学者・文人を集め科学や芸術を保護してサラセン文化黄金時代を開花させ,『千一夜物語』の登場人物としても有名である。中央アジアでの反乱に遠征中ホラーサーンで病死した。