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●パーリ語 パーリご

アジア AD 

 本来はセイロンに伝わる南方上座部仏教の根本聖典である蔵(ティピタカ)をさしてパーリと言った。聖典は紀元前3世紀マガダ国アショーカ王の王子マヒンダによりセイロンにもたらされ,5世紀に入ってブッダゴーサにより書き下されたと伝えられる。その後,同じ小乗仏教に属するセイロン・ビルマ・タイなど母国語を異にする僧が,意志を通じ合うためパーリ聖典のことばを共通語として用いたことから,パーリ語という言語をさす意味に用いられるようになり,また,ビルマなどでパーリ語で著述されるようになったのである。

 言語としてのパーリ語は,中期インド・アーリア語の一方言であるが,その言語系統については諸説がある。すなわち,仏陀が活躍したマガダ国の言語とする説,仏陀が生まれたコーサラ国の言語とする説,マヒンダが幼少期を過ごした西方インドのウッジャイニー地方の言語とする説などがそれで,西方インド説が有力視されているもののまだ確証は得られていない。