●ハーフィズ
アジア イラン・イスラム共和国 AD1326 イル・ハーン国
1326〜1390 イラン南部のファールス地方のシーラーズに商人の息子として生まれ,“コーランの暗記者”を意味するハーフィズを号とした叙情詩人。幼くして父を失い,貧しい少年時代を送りながら私塾に通い詩才を磨いた。長じて文人の保護者として知られたファールス州の支配者,アブー=イスハーク王(在位1343〜1353)の宮廷に仕え詩作に励んだ。当時政変の度に支配者が変わり時に不遇の時代もあったが,文人王シャー=シュジャー(在位1358〜1384)の厚遇も受け,愛・恋人・酒などをテーマに叙情詩を残した。一見耽美的に思われる彼の詩の真意は神への偽らざる愛であり,神秘主義の陶酔の境地を巧みな比喩・隠喩をもって表現したものと言われ,ドイツの文豪ゲーテに深い感銘を与えている。生地シーラーズを愛し生涯の大部分をこの地で過しここに没したので,廟は現在もシーラーズの名所となっている。イランの各家庭に備えられた『ハーフィズ詩集』によって詩占いをするほど一般大衆にも親しまれている。