●話千両 はなしせんりょう
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買った話(諺)によって危く難を逃れるという昔話。ある男が旅に出て稼いだ金で,話を売る話屋から土産にと千両で話を買った。「恩のない人にあずかるな」「あしなし岩に宿るな」「腹がたったら暫くやすめ」という三つである。日暮れて帰途,とある人家でもてなされるが,男は第一の話を思い出して夜逃げする。その途中,俄雨にあい岩穴に宿るが第二の話を思い出して岩穴を出たとたん岩が崩れる。家に帰って中をのぞくと女房が坊主と寝ている。暫く我慢してよく見ると,坊主と見えたのは髪を剃った母親であった。第三の話のおかげで母親を殺さずに済んだわけである。諺に若干の相違はあるが類話は多く,「話百両」「話買い」などの形で全国的に分布している。このように,諺や格言によって危難を避け幸福を得るというモチーフをもつ昔話はアジアからヨーロッパにかけても見られ,なかには商人から諺を買うという同じ趣向のものもある。