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●花咲爺 はなさかじじい

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 隣の爺型の昔話の一つ。巌谷小波の『日本昔噺』以来,五大おとぎ話の一つであるが,絵本などで知られた一般に流布したものとは異なったものが各地に見られる。東北地方では,犬が主人公であることから,“犬こむかし”などと呼ばれることもある。犬を童宮からもらったとか,子のない夫婦が子授けの祈願に行った帰りに拾ったとか,犬が川の上流から流れて来たとか,犬が鹿狩りの名手だったなどといった,犬の不思議な出現の仕方を説く例や拾った犬が急激に大きくなったなどと語る例もあり,この犬が単なる動物ではなく霊力をもった存在であることを示している。類似した話形として,灰で花を咲かせるのではなく,灰を空にまいたところ雁が落ちてきたという「雁取爺」の昔話があるが,「雁取爺」の方が古態であるとされている。一方,犬が犂をひいて田を耕して主人を助けるという類似した説話(「狗耕田説話」)が中国大陸に広く分布していることが報告されており,比較研究の必要が説かれている。