●把頭制 はとうせい
アジア 中華人民共和国 AD
旧中国において広く行われた労働請負制度。包工制・包身制とも呼ばれる。紡積工場・鉱山から土建業・苦力まで職種は多様。会社などの雇用主が把頭と呼ばれる請負人に労働過程を請け負わせ,把頭は雇用主が一括して払う賃金のなかから中間搾取を行う。鉱山などの場合,賃金は団体出来高制になっており,把頭による労働過程支配の基礎になった。把頭の下の労働者は不熟練労働者で,同郷関係などを通して集まる場合が多い。大多数を占めるのは農閑期労働者であり,家族は農業を基本生計としている。把頭制には近郊農村からの通勤労働者が多い華北型と,遠隔地,たとえば山東・河北省からの単身出稼労働者の多い満州型とがあり,後者では労働者を同一宿舎に居住させ最低限の食事を与えて日常生活まで管理する把頭炊事が顕著に見られた。把頭の労働者に対する拘束力は,紡績工場などでは比較的強かったが職種により幅があった。〔参考文献〕高綱博文「把頭制に関する一考察」日本大学通信教育部桜信論叢,1983