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●ハーディ

ヨーロッパ 英国 AD1840 ハノーヴァー・ウィンザー朝

 1840〜1928 英国の小説家・詩人。英国南西部ドーセット州の片田舎に生まれる。田舎で石工の修業を受けたが,ロンドンに仕事で出た際にその地で新しい思想やさまざまの文学芸術に接して文筆を志す。当時詩と小説を試作するが出版社から認めてもらえず,出版事情を考慮に入れた『窮余の策』(1871)を匿名で出版し初めて文壇に登場した。以後ウェセックスと称した彼の生まれ故郷の田園を背景に,田園と都会,因襲的考えと新思想などの対立を織り交ぜながら,男女の恋愛・結婚・生活を巧みな小説手法で多くの小説また短篇小説に書いた。とくに,自然描写に優れ,彼独特の文体も評価されて現在でも広く読まれている。『帰郷』(1878)・『ダーバヴィル家のテス』(1891)・『日陰者ジュード』(1895)などが傑作として知られている。とくに,後期の小説には,社会問題・宗教問題・教育問題・結婚問題・性問題・女性解放問題などがかなり露骨な形で提示されたため,因襲的で上品な読者や批評家から厳しい批判を受けた。しかし,新しい時代の先駆者として彼の評価が高まり,現在では世界に広く読まれている。社会からの非難を受けて小説を書くことを断念したあと詩作に専念したが,新しい詩の流れをつくった詩人として最近評価が高まっている。わが国でも,谷崎潤一郎をはじめとして多くの作家に影響を与えており,翻訳や研究論文も多い。1957年「日本ハーディ協会」が設立され,『ハーディ辞典』(1984)をはじめとしてさまざまの研究活動を行っている。

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