50音順    検 索

●伐木 ばつぼく

AD 

 樹木を伐り倒す伐木は,大変古い時代から行われてきた。燃料用としての薪の使用は,人類の歴史と同じくらい古く,また,石炭・石油などが発見されるまでの長い期間にわたり,木材が唯一の燃料であった。ヨーロッパでは,燃料用材の伐採により木材が不足し,今から1000年前に森林の維持造成が行われるようになった。日本では,江戸時代初期から一部に人工造林事業が行われたが,近代的林業は明治以降に発達した。世界の木材伐採状況(1981)を見ると,アメリカ合衆国・ソ連・ブラジル・インド・中国が伐採量の多い国である。1981年に伐採された木材の樹種を見ると,37.3%が針葉樹であり広葉樹の方が多い。また約31億4,300万立方mの伐採高のうち,44%が用材用で56%が薪炭用である。現在でも,世界で伐採される木材の半分以上が燃料用として消費されている。古くからの伐木は,燃料用以外に焼畑農業に伴うものがある。焼畑は最も原始的な農法で,木や草を切り倒してのち原野または山林に火を放って草木を焼き払い,草木の灰を肥料として行う農業である。数年後には地力が衰えて作付が不能となるため作付をやめ,休閑地として草木の回復を待ち,十数年後に地力が回復すれば再びその草木を焼き払って畑地とする。日本においても,水田稲作農業の行われる以前の縄文式時代に焼畑がすでに行われていたと考えられている。現在でも,熱帯地域ではこの焼畑農業が行われており森林破壊の元凶としてあげられている。しかし,伝統的な焼畑は,地力が回復し再び森林に戻るまでの長い休閑期をおき自然とうまく調和していた。近年,焼畑が森林破壊の元凶となったのは,木材産業・農園開発などにより活動範囲が狭められたり,人口増加により自由に使える森林が減少し,休閑期が短縮され木が再生できなくなるからである。国連環境計画UNEP)と国連食糧農業機関FAO)の共同調査によると,1970年代後半に全世界で熱帯森林は,毎年730万ヘクタールの割合で減少したという。FAO は,1985年を「国際森林年」と定め,世界の森林資源を保護するための緊急行動を世界各国に呼びかける決議を採択した。