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●発達段階 はったつだんかい

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 人間の発達過程をいくつかの段階に区分し,それぞれの特徴を明らかにすることができれば,その段階に属する人を理解したり教育したりするのに有効である。成長と発達とを区別することは難しいが,成長は観察し得る形態的・量的変化であり,発達は観察不能な内部構造に生じる質的変化ということができる。成長は量的に測定され連続的に変化するので,段階を区切ることは容易ではない。しかし,発達は質的変化であるとする立場に立てば,ある段階と次の段階は非連続で内部構造が異なるので,発達段階を区切ることが可能になる。とはいえ,ある時期から次の時期への変化は徐々に現れ,過渡期または移行期が中間に挟まれるので各段階を明確に区切るのは難しい。また人間全体を総合しての発達段階を区切ることは,あまりにも大まかになるので,身体発達とか精神発達などある機能について段階を設定するのがふつうである。

【社会的慣習・制度による区分】これは社会的・日常的・実際的な必要性から生まれたもので,たとえば中学校時代・高等学校時代・大学時代というような区分は,学校制度に基づくものである。

【身体的成長による区分】シュトラッツは身体的成長の過程で,体重の増加の目立つ時期(充実期)と,身長の伸びが目立つ時期(伸長期)があるとして,次のように区分している。第1充実期−2〜4歳,第1伸長期−5〜7歳,第2充実期−男子8〜12歳,女子8〜10歳,第2伸長期−男子13〜16歳,女子11〜14歳,第3充実期−男子17〜18歳,女子15〜16歳,成熟期−男子19〜24歳,女子17〜18歳。そのほかにも,歯の発育状態(歯牙年齢)・骨格の発育状態(骨格年齢)・臓器の発育状態・乳暈の発達状況などに基づいて段階の区分をすることもある。

精神機能や行動による区分】ピアジェは知能(思考)の発達段階を,感覚・運動的知能の時期(0〜2歳),前操作の時期(2〜7歳),具体的操作の時期(7〜11,12歳),形式的操作の時期(11,12〜14,15歳)の四つに区分している。また阪本一郎は読書興味を基準として次のように発達段階を区分している。昔話期−4〜6歳,寓話期−6〜8歳,童話期−8〜10歳,物語期−9〜15歳,文学期−12〜18歳,思想期−15歳以上。そのほかにも,言語の発達(喃語期・一語文期・命名期・活用期・従属文期など),描画の発達(錯画期・図式前期・図式期・写実前期・理屈屋時代・青年期芸術決定期),遊びの発達(感覚遊び期・運動遊び期・想像遊び期・受容遊び期・構成遊び期),道徳性の発達(前道徳的水準・慣習的役割同調水準・自己受容的道徳水準),性意識の発達などさまざまな精神機能の側面から区分している。

【全体的な精神構造の変化による区分】精神分析学的な立場からフロイトは,リビドー理論に基づいてパーソナリティの発達段階を口唇期・肛門期・男根期・潜在期・性器期に区分した。またエリクソンは,発達課題の観点に基づき乳児から成人に至るまでを次の8段階に分けて,漸成的図表をつくった。それによると乳児期(信頼対不信),早期児童期(自律性対恥・疑惑),遊戯期(積極性対罪悪感),学齢期(勤勉性対劣等感),青年期(同一性対同一性拡散),初期成人期(親密さ対孤立),成人期(生殖性対自己吸収),成熟期(完全性対嫌悪・絶望)で,それぞれの段階で括弧内の相対する葛藤を成功的に解決するか不成功に終わるかによって自我の形成は異なるとした。わが国では,牛島義友がビュラーの自我についての考え方を参考にして次のように区分している。身辺生活時代−0〜3歳,客観化・想像生活時代−3〜8歳,主観化・知識生活時代−14〜22,23歳,主観化・社会生活時代−22,23歳以上。発達段階はどのような角度から何に基づいて区分するかによって異なるが,ごく一般的には胎児期(卵胎期・胎芽期・胎児期),乳児期・幼児期・児童期・青年期・成人期・老年期に分けられる。