●バスラ
アジア イラク共和国 AD
イラク共和国,現バスラ市南西部郊外にある港湾都市。現在のズバイルがその故地。バスラとは「黒い小石」を意味する。イスラーム最初の軍事都市(ミスル)で,638年,ウマル1世の命により部将ウトバが建設した。正統カリフ-ウマイヤ朝時代はクーファと並んで東方への軍事基地(主としてホラーサーンへの基地)として発展し,またイラクの政治・文化の中心地として繁栄した。アッバース朝の首都バグダードの建設により政治的中心地としての地位は失われたが,商・農・工業の一大中心地として発展した。とくに東方,インド洋貿易の港としての役割は大であった。また,アラビア語文法学やムータジラ派の活動など,イスラームの学問・思想の中心となり,ジャーヒズなどの文豪を生んだ。最盛期の人口は30〜60万人。9世紀以降,ザンジュの乱やカルマト派の乱で荒廃し,13世紀のモンゴルの侵入でそれが促進された。アリーのモスク,タルハとズバイルの墓,ハサン=アルバスリーの墓などがある。