●ハージブ
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ウマイヤ朝初代カリフ,ムアーウィア1世のときから採用され,多くは非アラブ人のマワーリー出身者で地位は低かったが,アッバース朝時代になると,宰相(ワジール)に次ぐ高位の官職となり,しばしば両者は対立した。スペインの後ウマイヤ朝では,ハージブは東方のそれと異なり,支配者を側近や一般大衆から守るとともに,支配者とワジールや下級官吏とのあいだの仲介者の役割も果たしたので,ワジールよりも高い最高の地位を占め,政治について支配者の重要な補佐役となった。とくに同王朝の末期では,ハージブが政治や軍事の全権を掌握し,カリフは形式的な主権者となった。マムルーク朝では,ハージブの職掌は拡大され,本来の職務のほか,支配階級たるマムルーク軍人以外の一般市民や下級兵士の提訴を受け付ける一種の行政裁判権を保持した。