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●ハシーシュ

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 インド大麻の若芽を乾燥して作られる麻薬。アラビア語では元来「乾燥した草」を意味する。中世ではインドからイラン・アラビア・エジプトと広い地域で愛用された。現在では法律で禁止された地域が多いが,インドなど一部の地域では今でも使用されている。歴史上名高いのはイスラーム,イスマーイール派の一派ニザール派がこの麻薬を用いたことである。少数派であった同派は敵対者を暗殺手段で倒すことを正当化し,暗殺に赴く前に献身者と呼ばれた若い熱狂的な信徒を“秘密の花園”と称する地上の楽園に連れて行き,そこでこの麻薬を吸飲させ,陶然となった若者を刺客として送り出したと伝えられる。同派の刺客はイスラームの要人ばかりでなく,シリアにおいては十字軍の将兵をも暗殺の対象とし,多くの犠牲者を出した。この恐怖は十字軍によって中世ヨーロッパに伝えられ,ハシーシュの吸飲者,ハシーシーが訛ってアサッシンになり,暗殺者を意味する語として西欧諸語に入った。