●ハウプトマン
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1862 ドイツ連邦
1862〜1946 ドイツ自然主義の代表的な劇作家。故郷シュレージエン地方での土地成金一家の破滅を描いた処女作の社会劇『日の出前』(1889)は,人間の気質は環境と遺伝に決定されると考える自然主義の典型的な「環境劇」であり,当時設立された「自由舞台」での上演は大反響をよんだ。初めての好評を得た『寂しき人々』(1891)では受動的な人間の苦悩と破滅が描かれ,シュレージエン地方での1844年の織工たちの暴動を素材に群衆を主人公にした社会劇『織工』(1892)の完成とともに,自然主義の指導的な劇作家としての作者の地位が確保された。『ヴォルフのおかみさん』という庶民の狡智と強烈な生活力を象徴する母親像をつくりあけた『ビーバーの毛皮』(1893)は,ドイツ3大喜劇の一つに数えられる。ハウプトマンの特徴は,その個々の戯曲の示す様式の多彩さにある。一方には『ハンネレの昇天』(1893)や『沈鐘』(1896),『ピパは踊る』(1906)などの象徴主義的な作品または童話劇があり,一方には歴史劇『フローリアン=ガイヤー』(1895)や自然主義的悲劇「御者ヘンシェル』(1898),『ローゼ=ベルント』(1903)がある。今日高く評価される『ねずみ』(1911)は,第一次世界大戦を目前にし崩壊の危険をはらんだ時代の社会諷刺的な悲喜劇である。散文作品として『線路番ティール』(1888),『ソアナの異端者』(1918)が有名である。