●ハインリヒ(獅子公)
ヨーロッパ ヨーロッパ AD1129
1129〜95,ザクセン公(在位1142〜80)兼バイエルン公(在位1156〜80)。中世ドイツの有力諸侯ヴェルフェン家のハインリヒ傲慢公の子。1152年,従兄弟のフリードリヒ1世(バルバロッサ)が帝位に就いたことで,父親以来のシュタウフェン家とヴェルフェン家の対立も解決され,ハインリヒは帝国最強の諸侯となった。彼はザクセンを中心に,エルベ川を越えてスラブ人居住地域にも進出し,リューベックなどの都市を建設しつつドイツ人の植民運動につとめた。そうして領内の貴族層,教会を支配下に組みこみ,強力な領国形成政策を展開した。そのために皇帝との相克は避けがたいものとなった。1176年,皇帝のロンバルディア都市攻撃の援助要請をハインリヒが拒否したことから対立し,領内貴族の反抗が激化するなかで,1180年,帝国追放刑に処せられ,その領地もほとんど没収されてしまった。バルバロッサの死(1190)後帰国し,イギリス王リチャードの仲介により新皇帝ハインリヒ6世と和解したが,昔日の栄光を回復することはできなかった。