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●俳優 はいゆう

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 演劇において劇中の人物になりかわって観客の前で演技する人のこと。俳優の文字は『古事記』『日本書紀』中,身ぶり動作による“わざ”で神霊を“招く”(おぐ)の意である。このように本来俳優は,生産に結びつかない神事・呪術などを司ったもので,神がかり的な祈祷舞踊を行った人といえる。職業的俳優として完全に成立するのは14世紀ごろで,近畿地方における寺社を中心とした田楽座や猿楽座である。だが仏教伝来以来,女人禁忌の風のため女優は社会の表面から消去り,寺社に奉仕する男性芸人の世界となった。17世紀の初頭,出雲の阿国によって歌舞技が始められたが,風俗取締を理由に禁止,以後女優は存在しない。江戸時代から役者の意味になったが,俳優と役者は区別せずに使われる。厳密には俳優という語は,築地小劇場以来の新劇においてであり,現在,新劇大衆演劇・映画俳優・声優(ラジオドラマ)・テレビ俳優などのジャンルも生まれ,共演や交流も盛んである。