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●パイユート族 パイユートぞく

北アメリカ アメリカ合衆国 AD 

 ユート=アズテカン語族に属するアメリカ原住民族。合衆国北西部の大盆地 Great Basin の砂漠地帯に住む狩猟採集民族である。スペイン人,平原インディアンから馬を導入し,平原インディアンからの文化的影響がみられる。地理的に北方パイユートと南方パイユートが区分できる。

【分布】北方パイユートはアメリカ合衆国ネバダ州西部,オレゴン州南西部,カリフォルニア州に住む。南方パイユートはユタ州西部,アリゾナ州北西部,ネバダ州南東部,カリフォルニア州南東部に居住する。

【歴史】北方パイユートにおいてはヨーロッパ人との接触の歴史はおそく1825年ごろに始まる。初期にはインディアンと白人とは友好的関係を保っていたが,1840年ごろに始まった白人の大量移住,カリフォルニアにおける金の発見などにより両者のあいだに衝突がおこる。多くの軍隊駐屯地がつくられ,1869年に大陸横断鉄道が完成すると,原住民の伝統的生活は実質的に終わりを告げる。南方パイユートにおいては16世紀および17世紀にスペイン人との接触があったが,原住民の生活への影響は少なかった。カリフォルニアとニュー=メキシコがアメリカ合衆国に併合されると,土地は侵害され,一部の原住民は居留地に移った。しかし大部分は土地に散在したまま残った。インディアンと白人との衝突は比較的少なかった。

【文化】シカ,ウサギの狩猟,および野生植物の採集を生業とする。核家族が社会的経済的単位であるが,一夫多妻婚一妻多夫婚も少数例みい出される。それぞれの核家族は夏期には食物を求めて漂泊し,冬期には2〜10家族よりなる冬の村に集合する。この村の人口は50人以下である。村の長は権力をもたず,調停者としての役割りを果たすにとどまる。村をこえる社会組織は1年に1度,数週間行われる協同のウサギ,シカの追い込み猟のさいの複数の村の集合のみである。追い込み猟は超自然的力をもち,動物を引きつけると考えられている熟練した狩人によって先導される。狩猟ののち,歌と踊りがもよおされる。スペイン人,あるいはほかのインディアンからの馬の導入に続いて,バッファロー(アメリカ産野牛)の皮製のテントをはじめ,服装や習慣など平原インディアン文化の影響が濃く見られる。

【人口】1928年のムーニーの推定によると,南北パイユート合わせて7,500人で,1903年の合衆国インディアン局の報告によると5,400人。1910年には4,486人。1930年には4,420人。1937年のインディアン局の統計では北方パイユートは4,108人,南方パイユートは439人となっている。