●排満興漢 はいまんこうかん
アジア 中華人民共和国 AD
異民族王朝である清朝の支配下における漢民族の民族主義的スローガンで,滅満興漢の語もほぼ同義である。明末清初において侵入してきた満州族に対し,「反清復明」運動がおこったが,明の遺臣の活躍にもかかわらずこれは成功しなかった。この結果,中国人はかつて北狄として蔑視していた満州族王朝清の支配下に置かれることとなったが,これは中華民族としての誇りを傷つけるものであった。このため天地会などの反政府的秘密結社では,このことばをスローガンとして掲げて民衆の支持を得,太平天国もその綱領の一つとしてこれを強調した。日清戦争後,列国の帝国主義的進出が激化し,民族的危機が自覚されるようになると,このことばは,中国革命同盟会や革命を目的とする秘密結社の共通の合言葉となった。「駆除韃虜,恢復中華」の語は,「排満興漢」をさらに具体的に展開したものであり,清朝打倒運動を簡潔なことばで表現している。