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●バイバルス1世 バイバルスいっせい

アフリカ アフリカ AD1223 

 1223〜77 輝かしい功績により誉れの高いマムルーク朝第5代スルターン(在位1260〜77)。モンゴル軍の捕虜となって転々とし,エジプトに売られたトルコ系マムルーク。彼は1250年十字軍との戦いで,マンスーラにおいてルイ9世を捕虜にするという軍功をあげ,軍人として頭角を現す。1260年アイン・ジャールートの戦いでは,先鋒の軍を率いてモンゴル軍を撃退する殊勲を立てるが,期待した恩賞を与えられず,スルターン,クトゥズを暗殺して自らその座につく。第2のサラーフッ=ディーンをめざす彼は,1263年から1271年にかけて毎年十字軍攻略の軍を率い,着々とその拠点を奪っていった。これは同朝第8代のスルターン,カラーウーンによって完結される十字軍による近東支配除去の重要な基礎がためとなった。バイバルスは武人として卓越していたのみならず,政治的手腕も抜群であった。陸軍の再組織,海軍の建設,運河や港湾の開設,カイロ・ダマスカス間の郵便制度の設置などを行った。また,信仰心に篤い彼は,正統4法学派のそれぞれから大裁判官を任命している。またモンゴルによりバグダードを追われたアッバース朝最後のカリフの叔父,ムスターンスィルをカイロに招き,カリフとして擁立している。彼は奴隷あがりの将軍として実力で政権の座についたが,同時にマムルーク朝の基礎づくりを行っており,実質上のこの王朝の創始者であるといえる。