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●ハイヌヴェレ神話 ハイヌヴェレしんわ

ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD 

 ドイツのイェンゼンがインドネシアで蒐集したハイヌヴェレとよばれる原初的少女にまつわる神話。これにより世界の他の地域の神話を比較研究し,その内容の重要性を指摘したことで有名となる。そこには食物や死の起源等々といった要素があり,大筋は,ココ椰子に生まれた少女ハイヌヴェレが祭りの踊りにおいて殺され,父アメタがその死体をバラバラにして埋めたところ,そこから各種のイモが生じ,それ以降人間の食物となる一方,この殺人からデマ神サテネが人間界から去り,人間は死んで初めて彼女に会うこととされた,というものである。原古の女神が殺害され,その埋められた死体の各部から有用食物が生じたという型の栽培食物起源神話(死体化生神話)は,イェンゼンによれば,イモ類や果樹の栽培民文化に特徴的であり,農耕民の世界像を表現しているものとして理解されている。我が国のスサノオのオオゲツヒメ殺し,ツクヨミのウケモチノカミ殺しなどもこの一例とみられる。他方,食物等の起源神話としては他にプロメテウス型神話があり,よく比較される。