●ハイチ
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西インド諸島ヒスパニオラ島西部の共和国。面積2万7,750平方km,人口510万4,000人,首都ポルトープランス。東のドミニカと同様に1492年,コロンブスにより「発見」され全島がスペインの植民地となったが,1697年の条約で西半部がフランスに割譲され,先住民のことばで「山の多い国土」“ハイチ”と呼ばれるようになった。先住民アラワク族はスペインによる強制労働や伝染病で絶滅し,フランス人のさとうきびプランテーションの発展とともに大量の黒人奴隷が移入された。今日の人種構成の黒人90%・混血のムラート9%はこのような歴史に由来する。1795年に全島がフランス領となったが,フランス革命の自由主義思想の影響を受けたムラートと解放奴隷は白人農園主の弾圧に反抗し,トゥサン=ルベルチュールや,彼の死後はデサリーヌらの指導のもとにフランス軍を打破して,1804年,世界最初の黒人共和国として独立を宣言した。独立後はムラートと黒人の対立が続き,分裂と統一が繰り返され,一時支配は東部まで及んだが,ドミニカは1844年に分離独立した。その後も内乱と独裁政治,1915年から1934年までアメリカ海兵隊の占領が行われ,アメリカへの従属性が深まった。1957年,フランソア=デュバリエの大統領就任後,秘密警察を使い民衆の宗教心を利用した独裁政治が行われ,彼の死後は息子が独裁体制を継承している。農村にはブードゥー教と呼ばれるアフリカの原始宗教とキリスト教の聖者信仰とが混交した宗教が広く浸透し,貧富の差が大きく文盲率も高い。
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