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●梅松論 ばいしょうろん

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 鎌倉幕府の治績から,南北朝の内乱の過程で足利尊氏が幕府を創立するまでを述べた2巻の戦記である。1349年(正平4・貞和5)ごろの成立とみなされる。記述の体裁は,『増鏡』にならい,京都・北野天満宮に参籠して,某法師から物語を聞いた形をとっている。作者は不祥であるが,文章表現のあり方や足利尊氏に敬服していることなどから,足利尊氏側近の武将の手になったのではないかとの説もある。梅松論の名称は,足利氏一門の繁栄をめでたい梅・松にたとえ,つけられたものである。

梅松論の記事は,反逆して政権をとった先例を説き,鎌倉幕府の治績,建武の新政にいたる過程,足利尊氏の幕府創設への過程を客観的に描いており,史料的価値も高いものであるが,そして,足利尊氏の政権が,源氏および北条氏による武家政治を継承した,その政権の正当さを強調しているが,これに対抗した勢力についても正確に記述し,南朝側にたつ『太平記』と好対照である。