●農民離村 のうみんりそん
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農民が村を離れて都市に集中する社会現象。農民離村は歴史的には近代以前でも都市への逃亡あるいは逃散(ちょうさん)・欠落(かけおち)などもみられたが,一般的には近代社会において工業化の進展に伴う農村人口の都市移動現象を意味する。農民離村を農村人口の移動形態から分類すれば,農業から永久的に離れて都市に住む地理的・職業的な完全移動と,農村に住居をもちながらも通勤や出稼ぎを行う不完全移動がある。前者はおもに農家の次三男と女子に,後者は世帯主や長男にみられた離村形態である。また,職業的離村に対して結婚・遊学・病気治療といった非職業的離村もあり,個人離村のほかにも一家をあげて村を離れる挙家離村,あるいはダム・道路建設による集団離村の形態もある。昭和30年代後半以降の高度経済成長において農村人口の爆発的な都市移動が行われ,農山村の過疎化現象が展開した。農民離村の主要因は都市産業の発展による就業機会の増加に求められるが,都市生活へのあこがれといった社会心理的要因も存在する。