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●涅槃 ねはん

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 パーリ語のニッバーナ,あるいはサンスクリット語のニルバーナの音写で,滅・滅度・寂滅などと訳す。もとは「吹き消すこと」「吹き消した状態」を意味した。これは仏教以前から用いられており,仏教以外の諸宗教が,理想の境地を「ニルバーナ」と表現していたのを,仏教が取入れた。初期仏教では,貪欲(むさぼり)・瞋恚(いかり)・愚痴(おろかさ)など,すべての煩悩を滅することであると説かれている。それは悟りをひらくことによって実現される知恵の完成した境地であって,死後に得られるのではない。釈尊自身この境地を体験し,弟子たちにもこれを説いた。部派仏教時代には涅槃について種々考察され,有余涅槃(煩悩の束縛を離れているが,まだ肉体を残している状態)と,無余涅槃(肉体の死によって,一切の煩悩から離れた状態)の2種があるとされたが,これはジャイナ教などの影響によるもので,仏教本来の立場ではない。