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●ヌビア

アフリカ スーダン共和国 AD 

 アフリカの北東部,ナイル川上流地方の呼称。一般に,ナイル川第1瀑布上流から,東は紅海,西はリビア砂漠,南はスーダンのハルツーム付近までの地域をさすが,厳密な地理的範囲ではない。ナイル川の渓谷をはさんで,北東部にはヌビア砂漠,北西部には高原がひろがり,年間降雨量400mm以下の乾燥地帯である。住民はもとニグロ系人種であったが,エジプト人・アラブ人と混血した。その大部分はナイル川流域で農耕を営むが,砂漠では遊牧も行われている。ヌビアは古代から,奴隷や黄金・牛の供給地として,エジプトにとって重要な地域であった。6世紀にはキリスト教王国がたてられたが,7世紀中ごろからイスラム教徒の侵入を受け,14世紀にマムルーク朝に征服されてイスラム化した。現在,ヌビアの大部分はスーダン共和国に属している。1961年に,アラブ連合のアスワン=ハイ=ダム建設のため,この地域の一部が水没することになり,住民はスーダン政府によってヌビア砂漠南端の農耕地に集団移住した。