50音順    検 索

●盗み ぬすみ

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 他人の所有物をかすめとることで,社会生活では最も忌み嫌われる行為の一つ。わが国の村落社会では犯した者は村八分の対象とされてきた例が多いが,犯人が不明のときには,村寄合で入札(いれふだ)をして犯人を捜し弁償させる所があった。またヌスット送りと呼び,等身大の藁人形をつくって村内を引き回し,川に流せば盗難がなくなると伝える地方がある。普段は嫌悪される盗みが,ある程度公然と許容される習慣も少なくない。たとえば十三夜や十五夜の月見行事で,供えた団子を子供が盗みとることを許したり奨励するのはほぼ全国に共通し,また漁民が共同網のあと漁獲物の一部をくすねることも,多くの地方で許されてきた。民族によっては,軽い盗みであれば祖父母の所有物を孫が,また母系制社会で父の所有物を息子が盗むことを認めている社会があり,ともに人間関係の融和とかかわる。この両者間の関係を文化人類学では冗談関係と呼び習わしている。