●ヌアー族 ヌアーぞく
アフリカ スーダン共和国 AD
ヌエル族ともいう。アフリカ,スーダン南部のナイル上流の流域に住むナイロート系の牧畜民。人口は約20万人。牛の飼育を中心に生活し,乳製品を主食とするが,トウモロコシの栽培も行う。乾期には村を離れ,牛を移牧させながらキャンプ地で集団生活をする。隣接する同じナイロート系のディンカ族をしばしば襲撃し,居住範囲をディンカの土地へと拡大しつづけてきた。ヌアー(ヌエル)族のなかには捕虜となったディンカ人の子孫たちも数多く同化している。ヌエル全体は多くの下位部族に分かれ,それぞれが地域集団の核となる氏族の分節リニイジ体系をもつ。地域分節間の争いを調停する“貌皮司祭”以外に,分節を超えた首長は存在しなかったが,ヌエルの至上神である天空の神に憑かれ神のことばを語るとされる予言者たちが,19世紀末から20世紀初めの反植民地政府抗争のなかで,分節を超えた指導者としての役割を果たした。