●仁徳天皇 にんとくてんのう
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『古事記』『日本書紀』の系譜上の天皇。第16代と伝えられる。応神天皇の皇子で,母は仲姫命。名は大雀命という。『記紀』には,人民の貧窮な暮しぶりをみて課役を3年間免除するなど,聖帝として描かれており,また狭山池・茨田堤などの開拓事業,朝鮮への出兵などの事跡が記されている。従来仁徳天皇の存在は疑われることなく,その陵墓とされる古墳(大阪府堺市の大山古墳)の威容からも,5世紀前半の大和朝廷最盛期の天皇とされてきた。しかし,大山古墳を仁徳陵とする積極的根拠は乏しく,また『宋書』の記事から5世紀の大和王権内に二つの王統が確認され,仁徳天皇は,6世紀に入り世襲王権が形成された時期に,一系的な天皇系譜(帝記)の作成の過程で,5世紀の二つの王統を統合するために,設定された系譜的な存在であるという説もあり,その存在についてはなお論争がまたれる。〔参考文献〕原島礼二他『巨大古墳と倭の五王』1981,青木書店