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●妊娠 にんしん

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 女性の体内で卵子と精子とが結合して受精卵ができ,それが子宮に着床して胎児となる。これを受胎といい,胎児が出産によって母体外に出るまでを妊娠という。かつては結婚した女性は早く子供ができることを望み,子授けの神仏に祈願をすることも多かった。妊娠することをタナブ・グスイ・ミモチ・ハラムなど地方によっていろいろに呼ぶ。長崎県壱岐郡では受胎することをカタル,妊娠をハラムといって,受胎と胎児が生育し始めてからの状態とを区別している。妊娠がわかると嫁はまず里の母親に知らせることが多く,里の母親は婚家の舅姑に食物などをもって挨拶に行く。挨拶は各地方によって決まった言いまわしがあり,挨拶を欠くと姑は知らぬ顔をして出産まで嫁につらくあたるようなこともあった。身籠った児は母体内に十月十日いるといわれていた。妊娠中には食べ物や行為などに多くの禁忌があって,それらを守らないと生まれる子に悪い影響があると考えられていた。妊娠5カ月目の戌の日などに,産婆・妊婦の母親・親戚などを招いて帯祝いをする。