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●人間は万物の尺度 にんげんはばんぶつのしゃくど

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 ギリシアのソフィスト,プロタゴラスのことば。彼の著書『真理』(あるいは『打倒論』)の冒頭の1節。この書は題名が伝わるのみで現存しない。プラトンの『テアイテトス』に引用されて伝えられた。全文は,〈万物の尺度は人である。あるものについては,あるということの。あらぬものについては,あらぬということの〉。前段は,「人間とは何か」に答えようとするのではなく,「およそものごとの判断の基準となるものは何か。それは人それぞれ(あるいは,人々)である」の意。「人間は万物の尺度」とするよりは,「人間が万物の尺度」とした方が適当であろう。後段は,たとえば「冷たいものであるものについては,冷たいものであるということの。冷たいものであらぬものについては,冷たいものであらぬということの」の意。プロタゴラスは「同じ風が吹いていても,冷たいと思うか,冷たくないと思うか,判断の基準は人それぞれである」,あるいはまた「ポリスの習俗や法律において,どういうことがよいとされ,よくないとされるかは,それぞれのポリスが決める限りによる」と主張していると解することができる。すでに古代において,この1節を個人やポリスの意見や決定の相対性を説くものとして受け取る傾向があった。しかし,プロタゴラス自身の真意については,断片しか伝わっていないため確かめることができない。それは,彼以前の哲学者たちの学問・知識に対する批判の試みであった,と解釈することも可能だからである。