●人間疎外 にんげんそがい
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人間が自らつくりだした文化によって,かえって人間の主体的に行為する自由な活動が阻止され非人間的な状態に置かれること。若きマルクスは『経済学・哲学草稿』のなかで,資本主義体制のもとでは,労働生産物が商品として資本家の所有に帰属することにより,人間の商品化という形での人間からの人間の自己疎外が生じることを説いた。今日では一般に,人間が人間のつくりあげた技術や組識などを客観化し,これに支配されて主体性を発揮できなくなること,さらには人間が没個性的に平均化されて大衆の一員になり,大衆の客観的な動向に依存することでますます大衆化していくことをいう。産業のオートメーション化,交通通信機関やマス=メディアの発達,管理機構の合理化や細分化,ビューロクラシーの浸透,地球資源の開発などの進むなかで,もし人間の生存が無視され,技術化や組識化だけがそれ自体で自己目的化されるならば,現代の人間疎外は最悪の事態となる。