●日本霊異記 にほんりょういき
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日本最古の仏教説話集。正式な題名は『日本国現報善悪霊異記』。撰者は奈良薬師寺の僧景戒で,9世紀前半,弘仁年間(810〜823)の成立とみられる。全3巻のうち,上巻には39話,中巻には42話,下巻には39話,計116話を収め,各巻に序文がある。雄略朝から嵯峨朝にいたる期間の,主として在地社会に伝承された怪異譚を題材に採り,私度僧たちによる民衆への教化の手引書を意図して編纂されたもので,因果応報の論理が基調となっている。中国の『冥報記』『般若験記』『金剛般若経集験記』『捜神記』などの諸種の仏教説話や霊異譚の影響をうけながらも,当時の世俗の様相や宗教生活の一面をたくみに取り入れており,各説話はいずれも生彩に富む。古写本には「興福寺本」「真福寺本」「前田家本」「高野本」などがある。『日本感霊録』『三宝絵』『本朝法華験記』『今昔物語集』『宇治拾遺物語』以下,後世の説話集にあたえた影響は大きい。
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