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●ニーべルンゲンの歌 ニーベルンゲンのうた

ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD 

 中世ドイツ英雄叙事詩の傑作。ブリュンヒルトとジークフリートにまつわる北方伝説と,フン族に滅ぼされたブルグント族をめぐる伝説を結びつけ,隠れ蓑や侏儒などの童話的モチーフを盛り込み,さらに当時の騎士文化の要請に応えたきらびやかな宮廷社会を舞台にして,1200年ごろにオーストリアの無名の詩人が,クリームヒルトの愛と復讐というテーマで統一してまとめたものである。非の打ちどころのない高貴な美しいお姫様が,血縁の信頼を裏切られて最愛の夫を殺され,ついにはあらゆる人間の節度を踏みはずして復讐の鬼と化す。彼女をそこまで追いつめたものは忠臣ハゲネの一族に寄せる忠節である。愛しい人への貞節を貫き通す一途な想いと,悲劇的運命を予知しながらもそれに立ち向かう勇士たちの英雄的パトスの対立が最後の破局にむかって徹底的に追求される。ゲーテがこれを評していうごとく,まさに根本的に異教的かつゲルマン的な作品である。