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●入唐求法巡礼行記 にっとうぐほうじゅんれいこうき

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 日本僧慈覚大師円仁が839年(開成4・承和6)から847年(大中1・承和14)まで10年間,中国に仏法を求めて巡礼した旅行日記。『入唐巡礼記』,『五台山巡礼記』とも称する。全4巻で,1巻に入唐の経過と揚州府開元寺での滞在,山東経由の北上,2巻に山東から五台山巡礼,3巻に五台山で天台宗典籍を抄してのち長安に至り,大興禅寺と青竜寺において密教の法を受けたこと,4巻に武宗の廃仏に遭遇して帰国する状況を記す。円仁は当初,藤原常嗣率いる使節に短期留学僧として参加,後に単独行動をとった。日記体だが,公文書も収め,宿泊施設・交通地理・経済・官庁の機構・年中行事・俗信・中国本土の寺院生活と仏教儀礼・五台山・長安の仏教界・廃仏の実態について細かに記し,9世紀中国に関する第一級史料である。また玄奘の『大唐西域記』,マルコ=ポーロの『東方見聞録』と並び,東アジア三大旅行記の一つとしても高く評価されている。足立喜六の訳注(1947,昭和22),小野勝年の研究(1969,昭和44),ライシャワーの英訳(1955,昭和30)などがある。