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●二条河原落書 にじょうがわらのらくしょ

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 建武政権の政治を批判・風刺し,京洛の世相・風俗・人情や社会不安を描いた落書。全文『建武年間記』に収録されており,1334年(建武2)8月二条河原に立てられたという。この場所は,単なる賀茂の河原ではなく,新政府の政庁二条富小路内裏の延長の場であり,それだけ強く新政府への批判のまなざしが読みとれる。記者は不明だが,自ら〈京童の口ズサミ十分一ヲモラスナリ〉と結んでいるように,京童と呼ばれた新商工業者を中心とした市井の人々の思いに同調し集約し得る人であったろう。新政権誕生以来の政治を観察し,自らの期待が裏切られていくことへの忿懣の吐露でもあった。同年5月,若狭国太艮壮の百姓は,後醍醐新政に〈土民百姓など皆もって貴きの思をな〉していたのに,期待が失望に変わっていく事態を鋭く指摘した申状を遺している。新政への政治批判は,京洛・地方農村に共通していたのである。