●ニコラウス=クサーヌス
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1401
1401〜1464 ドイツの哲学者にして神学者。さらに天文学・地理学にも業績を残した。貧しい漁夫の子に生まれたが,その才能を認められパトロンの支援でパトヴァに学んで司祭となった。1448年枢機卿に,1450年ブリクセンの司教となる。つねに教会の統一に努め,教皇の使節としてコンスタンチノープルに行き,東西教会の合同を達成した。哲学的立場は,プラトンの流れをくむ神秘主義,鋭い直観的認識を重く見たが,反面ピタゴラスの唱えた地動説を支持した。すべての矛盾を超えて神は対立物の一致であるとして,単純のなかに万象を,己の無知の自覚により信仰は理性を超えるとして神に触れることを説いた。また,明晰な頭脳によって数学や天文にも理解を示し,円錐図法による中欧の地図を作製するなど優れた著述を多く残している。16世紀の宗教改革を前に腐敗・混乱したキリスト教各派の対立のなかでは教皇権を擁護した。