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●ニカラグア

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 正式国名はニカラグア共和国。中央アメリカの中央に位置し,北はホンジュラス,南はコスタリカに接し,東はカリブ海,西は太平洋に面し,面積は中央アメリカで最大で13万平方km,人口282.4万人(1981),首都マナグア。国名はインディオの酋長ニカラオの名を記念してニカラグアとした。

【風土】カリブ海に面した地域はモスキートス海岸が広がり,低湿地で密林をなしている。この地域にはインディオのモスキート族が居住する。中央部は標高2,000mのイサベリア山脈を含む高地で山間部には広い盆地がある。太平洋岸は不安定な火山地帯で,サンクリストバル山(1,790m)やモモトンボ山(1,258m)などが並び,地溝帯に沿ってマナグア湖やニカラグア湖を形成している。この地域は気候もよく,肥沃な土地が広がる。全土が熱帯気候に属しており,北東貿易風の影響で東部沿岸地域が多雨(平均2,400mm)となり,西部に入るにつれて降水量は減少する。

【住民】人口の約70%は気候がよく開発の進んだ西部に居住している。住民の大部分はメスチソ(スペイン系白人とインディオの混血)で,純粋のインディオは人口の4〜5%程度と少ない。黒人は人口の約10%を占めている。黒人はジャマイカなど西インド諸島から農園労働者として送り込まれた。クレオールは約15%であるが,1930年以後の移民政策で白人以外の入国は困難である。公用語はスペイン語。英語も広く使われている。インディオの間ではチブチャ語が使われている。国民の95%はカトリック教徒である。

【歴史】1502年コロンブスが到達し,その後スペイン人が入植し,1821年スペインから独立し,中央アメリカ連邦を経て,1838年分離独立した。この間,イギリスが東海岸に勢力をもち,アメリカ合衆国もこの地方の運河建設に関心を示した。両国政策は妥協し,ニカラグア地峡地帯には運河を建設せず植民化を行わないレートン=バルワー条約を1850年締結した。1893年,民衆の蜂起によって,ホセ=サントス=セラヤが独裁権をもった。その後のアメリカ軍占領時代には,アウグスト=セザル=サンディーノが反米闘争を行って民族の英雄となった。1936年,アナスタシオ=ソモサが陸軍をバックに独裁的大統領となり,1956年暗殺されるまでニカラグアの近代化を阻んできた。その後もソモサ家が政権を独占している。一方,民族解放戦線のゲリラ活動が活発化しており,国内での対立と隣国との緊張状態など不安定な状態にある。

【文学・芸術】詩人ルベン=ダリオ(1867〜1916)は,ラテンアメリカのモデルニスモ(近代主義)の代表者の一人である。彼はフランス文学の強い影響を受けたが,独自の詩的ジャンルを生み出した。代表作には『青』『俗なる詠誦』などがある。その後,前衛的・戦闘的な社会に目を向けた人が出現している。他の文学では成果は上がっていない。美術の分野では,グラナダに16世紀初めにフランチェスコ会の修道院が建設され,レオンには,1779年大聖堂が建てられ,これは新大陸中最古とされる。