●南洋時事 なんようじじ
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シガシゲタカ※注1※が1887年(明治20)に著した著書。著者はこれにより当時25歳の少壮地理学者として名をあげると同時に,いわゆる“南方政策”に目を向けさせる走りとなった。また「南洋」ということばの概念を定着させた。前年の1886年(明治19)2月,著者は練習航海に赴く「筑波」に便乗する機会を得て,クサイエ(現コスラエ)・オーストラリア・ニュージーランド・フィジー・ハワイを巡り,同年11月に帰着した。この巡航を紀行風に叙述しながら,至るところに歴史・地理を語り,警世・批判を唱えた。また各寄港先の国々について経済的な実情も探っている。ニュージーランドではウィタコ酋長,フィジーではランガム宣教師,サモアではマリエトア国王と会見するなど,徳富蘇峰から「よきジャーナリスト」と評された。日本人の海外発展については〈我国人の海外移住を奨説するものは,独り布哇(ハワイ)のみに限るものに非ざるなり〉と主張している。
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