●南蛮美術 なんばんびじゅつ
アジア 日本 AD
ポルトガル人の来航とともに,桃山時代に流行した西洋風美術を総称していう。1549年のザビエル来日以後,キリスト教布教のため多くの宣教師たちが来日したが,彼らによってもたらされた西洋の文化(南蛮文化)・風俗は大きな影響を与えた。画法自体は従来の風俗画の技法によっているが,新鮮な感覚の目覚めによって新しい美術の分野が開かれたといえる。その後のキリシタン弾圧,あるいは江戸期に至っての徹底したキリスト教禁制によって,往時の作品の多くは姿を消してしまった。ただ,わずかに隠し伝えられてきた小作品の絵画・工芸品などによってみても当時の盛況がうかがわれるのである。16世紀末から17世紀へかけてがその最盛期であったが,1583年来日のジョバンニ=ニコラオによる西洋画法教授がきっかけとなり,日本人がはじめて本格的技術を習得して西洋画家が生まれるに至った。「婦女弾琴図」の信方(のぶかた)などがそれである。