●ナントの勅令 ナントのちょくれい
ヨーロッパ フランス共和国 AD1598 フランス王国
1598年,フランス,ブルボン朝初代のアンリ4世が発布した勅令。1562年以来の宗教内乱に終止符を打つため,プロテスタント(ユグノー)のアンリは,国王に即位してまもなく,カトリックに改宗(1593)し,この勅令で,ユグノーにもカトリックとほぼ同等の権利を与えることとした。さらに個人としての信仰の自由も承認した。その点で,アウグスブルクの和議よりも,一歩進んだものであり,フランスの宗教戦争はこれで一応の決着をみたといえよう。けれども,カトリックが国教であることには変わりはなく,ユグノーもカトリックの祭礼には従わねばならず,また公の礼拝には厳しい地域的制限が課せられた。そして,ルイ13世の時代のリシュリューによる激しいユグノー弾圧をへて,ルイ14世は1685年ナントの勅令を廃止した。その結果多数のユグノーが国外に亡命したが,彼らは商工業に従事する者が多かったため,フランスの産業や経済に深刻な打撃となった。なお,ナントはフランス西部のロアール河口に近い都市である。