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●南島 なんとう

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 “南島”のさす地域は時代によって異なる。主として日本の南西諸島の一部あるいは全部をさすが,近世においては伊豆諸島に用いた例もある。文献の初出は『日本書紀』で,7世紀初の記事にヤク(夜句・掖句)人,タネ(多禰)人の渡来がみえる。7世紀末になると奄美はアマ(阿麻)として区別され,それまでヤクと総称されていた地域が“南島”と呼ばれる。遣隋・遣唐使の時代には,南船路にあたる島々の名が具体的に知られるようになる。しかし遣唐使停止により南島への関心はしだいに薄れ,喫人国,啖人国,鬼界,貴賀井など空想的な名称へと代わってゆく。琉球が日本の“南の島”であるとされたのは新井白石の『南島志』(1719)においてである。白石は歴史・文化的考察から倭(日本)の南北に南倭(琉球)と北倭(蝦夷)を位置づけた。しかし一般的に琉球が日本の“南島(みなみしま)”とされるのは幕末で,明治以後は琉球を中心とする地域が“南島”と称されている。