●納戸 なんど
アジア 日本 AD
住宅のなかで諸道具を入れておく部屋。初めは主として,農家の主人夫婦の寝間であったのが,のちには一般の寝間も納戸というようになり,そこに衣類や大切なものを入れておくところから,今では物を納めておくところの意として用いられている。婚礼の後の床入りを納戸入りといい,納戸には納戸ばばがいるのでこれを祀る地方もある。これを納戸神といい,おくのかみ・うちのかみとも呼んでいる。神棚に祀る表神に対し,内神と呼んだ。隠し神として,キリシタンのあいだでは,聖像・画像などを納戸にしまっている。寝殿造での寝室は塗籠(ぬりごめ)であるが,のち帳台構えへと変化し,また納戸と称した。のち上段の間の控えの機能が生まれた。閉鎖的室内であるから貴重品を収納する場所となった。安房地方では居間のことを納戸という。納戸方というのは幕府の金銀・衣服・調度を出納するところである。したがって農家も武家もその面では異なるところはなかった。