●南島商会 なんとうしょうかい
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わが国で初めてミクロネシア貿易を開拓した商社。田口卯吉が東京府知事高崎五六の要請により,東京府士族授産金4万余円を受け入れて,南島商会を組織したのは1890年(明治23)である。田口は帆船天祐丸を買い入れ,自ら乗り組んで同年5月横浜を出港,小笠原,グアム,ヤップ,パラオを経由ポナペ島にいたり,ここに同商会の支店を開設,交易を行って12月横浜に帰港した。これが日本とミクロネシアとの本格的貿易の始まりとされる。当初,南島商会の設立に当たり,世間は政治的に疑義ある大怪事として激烈な攻撃を加えたが,田口は信念をまげず,南征の結果相当の利益をあげたものの,翌年の再航に際し,再び問題が生じたため,田口は事業の継続を断念し,同商会の総財産を東京府士族総代会に引き渡して解散した。なお,この天祐丸を買い受けた島原の人小美田利義は,一屋商会をおこしてミクロネシア貿易を継承し,さらに南洋貿易株式会社の創業へとつながっていく。