●成木責め なりきぜめ
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果実が実る樹木を威嚇して,秋の豊かな結実を約束させる小正月の呪術的儀礼。人の側からいえば,結実を乞い願う予祝儀礼。梨や桃の木に対して行うところもあるが,一般には柿の木を対象としている。2人が組んで儀礼を営むのが通例である。1人が棒や斧を樹木の下方にあてがい,〈成るか成らぬか,成らねば伐るぞ〉と唱えて,樹皮を叩いたり軽く傷つける。他の1人は木陰に隠れて〈成ります,成ります〉と答える。この問答をすることが基本的要素で,地方によっては,小正月につくった小豆粥を樹皮の傷口に塗りつけるなどの行為がつけ加わる。現在では,廃止されてしまったり,子供の遊びに転化している土地もあるが,かつては,広く全国の農山村に分布した儀礼であった。小正月には,屋内に繭玉や餅花を飾りつけ,農作物の豊凶を占ったり,豊作を予祝する各種の年占・予祝儀礼が行われるが,成木責めもそれを代表する儀礼の一つである。