●那爛陀僧院 ナーランダーそういん
アジア インド AD
5〜12世紀にわたって栄えたインドの仏教僧院。現ビハール州バルガオン(パトナの南東90km)にその遺跡がある。7世紀,玄奘と義浄が当地に留学し当時の状況を報告している。10数基の大僧院と数基の仏塔が建ち並び,各地からの僧侶3,000人以上が滞在していたと伝える。グプタ朝のクマーラグプタ1世の創建になり,ハルシャ王(戒日王)をへてパーラ王朝の庇護を得て800年間にわたって栄えた。仏教教学の中心地で,インド最大の仏教大学であった。唯識学が研究され護法,徳慧,戒賢などの学僧が輩出し,その後は密教学研究の中心として栄えた。しかし,1197年,回教徒によって潰滅し,僧侶はネパール,チベット,南インドにのがれた。現在東西250m,南北500mの地域にわたって遺跡が発掘されている。パーラ王朝時の密教系の優れた仏教美術が多数発見されており,東南アジアの仏教美術に与えた大きな影響の跡をみることができる。