●納屋 なや
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[1]室町時代中期から安土桃山時代にかけて,海産物を収蔵するため海岸に建てられていた倉庫のことをいう。納屋衆,あるいは納屋貸衆と呼ばれる富商が,これを所有し賃貸して収益を得ていた。とくに,堺の納屋貸衆は著名で,三宅氏,今井氏らその有力者は十人衆と称し,合議によって町政を行った。海外貿易で巨利を博した納屋助左衛門も堺納屋衆の出身である。[2]江戸時代,諸藩が江戸・大坂の蔵屋敷を通して売却する商品を蔵物,商人・農民が私的に販売する商品を納屋物と呼んだが,後者を収蔵する倉庫を納屋といった。納屋物には,米・油・青物・塩・紙・木綿などがあり,荷積問屋,荷受問屋,仲買,小売などをへて消費者にわたった。また,北海産物の畿内への流通拠点であった大津では,魚問屋のことを納屋と称していた。[3]近世以降,農具や収穫物を入れておく,農家付属の建物のことをいう。土蔵などの本格的な倉庫に対し,簡略なものをさしている。