●ナヤール族 ナヤールぞく
アジア インド AD
インド南西部ケララ州マラバール地方に住み,ナンディーブリ=ブラフマン=カーストに次ぐ土着の支配的カーストを形成する部族。かつてはこの地域の小王国群の支配階層に位置し,多くの傭兵を,他の諸王国に供給していた。イギリスの統治後からは,政治・行政・医療・教育・法律の分野で,おもに活躍するようになった。インドの多くの部族と異なり,母系制を維持し,タラヴァドという外婚的母系集団が,その伝統的家族形態とみなされる。これは,母系血縁に連なる兄弟姉妹およびその子供や孫などでつくられ,成員は日常生活を終生ともにし,最年長の男性が法的責任者となり,共有の財産を保持し,子供の養育を行う。婚姻は,男女とも同時に複数の異性を夫,妻とすることができ,訪妻婚の形態をとる。ただし最近では,一夫一婦制と父母子供からなる家族形態をとる人々が増加してきている。