●ナーナク
アジア パキスタン・イスラム共和国 AD1469
1469〜1539 シク教の創始者。ラホール郊外の下級役人の息子に生まれたが,家族を捨て遊行者になった。彼はカピールなどヒンドゥー教のバクティ(信愛)思想と,イスラーム教のスーフィー(神秘主義)思想の影響を受け,宗教には,ヒンドゥー教もイスラーム教もないとして神との結合,礼拝諸形式の無価値,カースト制の不合理を説いた。彼はヒンドゥー教徒の百姓とイスラーム教徒の音楽師を伴い,村から村へと伝導して歩いた。彼は預言者と称さず,説教を詩で表し,音楽師がそれを歌にしたが,それらを集めたものがシク教徒の聖書グラント=サーヒブである。彼の弟子には,掃除人や鞣皮職人などパンジャブの比較的下層のカーストの人々が多かった。これらをシシ(サンスクリット語で弟子の意味)といったのが,やがてシクと訛ったといわれる。彼はグル(師)と称せられたが,4代目のグルまでは宗教改革運動だったのが,それ以後政治・軍事組織になっていき,シク王国建設へと発展した。