●ナシール=アッディーン=アットゥーシー
アジア イラン・イスラム共和国 AD1201
1201〜74 イランのトゥースに生まれ,バグダードに没する。十二イマーム=シーア派の神学者として活躍するとともに,イスラーム哲学・天文学の分野に大きな業績を残している。神学者としては十二イマーム=シーア派の神学の存在論的裏づけを行い,この派の神学の方法の基礎を築いた。モンゴルのフラグ=ハンのイラン侵攻後は,その政治顧問となる。彼がフラグ=ハンの命により設計した天文台の遺構がアーゼルバーイジャーンのマラーゲに存在している。哲学者としての彼は,イブン=シーナーの哲学の研究に精力を傾注し,その真意の把握に成功している。とくにイブン=シーナーの哲学における存在と本質の区別に関する議論を分析し,そこから存在が本質に先行するという“存在の根源的実在性”の説 asal ah al-wujud を主張した。主著は,『神学提要』『イブン=シーナーの指示と覚醒の書注解』。