●馴染 なじみ
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結婚前の男女の交渉が慣習化していた地方で,恋愛関係ないし当人同士の結婚への合意ができている場合,その両者の関係のこと,あるいはそのような関係にある男からみた場合の女のこと。典型的には「寝宿」慣行をもつ「若者組」の活動が存在した漁村に多くみられたが,馴染の関係が成立すると他の若者仲間は遠慮し,特定の男だけが女のもとに通うことになる。馴染の関係から結婚にいたるためには双方の親の承諾を得なければならないが,多くの報告事例において共通していたのは,結婚にいたる一段階としてこの関係の成立が慣行的に承認されていたことであった。ただしこの慣行は,「若者組」の活動を前提とした狭い村内婚を基盤としており,いわゆる自由な配偶者選択というものとは歴史的条件を異にしている。なお,馴染を出発点とする婚姻は,たいていは男方から女方へ「酒を入れる」ことで成立し,婚舎が一定期間嫁方におかれて「妻問い」が行われるという形態が多い。