●ナザレ
アジア イスラエル国 AD
イスラエルの北部,ガリラヤ地方南部の丘の中腹にある町(標高350m)。地中海沿岸のハイファの南東約30kmに位置する。イエス=キリストの両親ヨセフとマリアの故郷として知られ,イエスはベツレヘムで誕生後,この町で成人した。彼が「ナザレ人イエス」と呼ばれたのはそのためである。町の丘の頂上からは,東に「キリストの変容」の地として知られるタボル山,西にハイファの背後に聳える聖地カルメル山,北にアンティ=レバノン山脈の最高峰ヘルモン山が望まれ,町にはマリアに受胎告知があったとされる場所など,イエスに関係があるとされている遺跡が多い。イエス時代のナザレは山間の僻村にすぎなかったが,キリスト教の発展とともにこの町に対する関心が高まり,4世紀以降重要な巡礼地の一つとなった。また発掘の結果,ナザレではきわめて早い時期から,ユダヤ人キリスト教徒によるマリア崇拝が行われていたことが明らかにされている。